車いすの夫とベルリンへ行きたいブログ

車いすユーザーの夫と暮らして発見したことなどをつづります。ドイツ語学習中。

夏の思い出♪ 歩くことのできない夫は泳げるか?

お題「今年の夏は〇〇に挑戦する!」 

「挑戦した!」というお話ですが、あと、挑戦したのは夫ですが、お題に答えてみます!

 

いつからか、車いすユーザーの夫がある単語を口にするようになっていました。

「プール」 です。

 

使い方は「プールに行くのもありかもしれない」「プールに行けば」「プール行こうかと思った」などなど。私はすっかり思いこんでいました。夫は大好きなプールに行きたいのだと。

 

よく思い出すと、この現象はオーストラリアの珊瑚礁見学に行くために水着を準備していた頃から起きていたのでした。何かが夫を触発したらしい。

 

 

ninin-2kyaku-2sharin.hatenablog.com

(↑これです)

 

そんなわけで、いい年した夫婦二人が週末の午後、屋外の市民プールにでかけていったわけです。屋外プールって何年ぶり?笑 

 

その1時間前。車いすユーザーを受け入れてくれるプールってあるのかな…

そう思ってググってみると、我々の居住エリアにはけっこうありました。障害者スポーツセンターじゃなくても。プールに入るための昇降機がある屋内プールもありましたが、夫が「夏だから」と言い張るので屋外プールへ行くことになりました。

 

入場券を買うところでウロウロしているとスタッフさんがすかさず声をかけてくれ、見入ってしまうほど日に焼けたスタッフのおじさんが階段のないルートに通してくれました。広い更衣室があるんだそうです。私は夫に別れを告げて女子更衣室に向かおうとしましたが、「一緒に来てください」と呼び止められました(笑)

 

かなり年季の入った施設でしたが、車いすユーザー用の更衣室には広いトイレとシャワーがあり、横になれそうな台?もありました。広々使わせて頂き、いざプールへ!車いすはプールサイドまで持って行くことができ、はじっこに置いておけばOKなので便利です。

 

さて夫は泳げるのか?改めて聞いてみると「わからない」とのたまう。え、わからんのかーい!最後にこうやってプールで泳いだのはいつかも定かではないとのこと(体力測定で入ったことがある?)。脊髄損傷で立つことができない夫は当然、プールの底に足をついて立つことができないので、その姿はまるで……というかまじで溺れかけの人。ばしゃばしゃやる夫をしばらく眺め、心配になってきたら抱えてプールの縁につかまってもらうということを繰り返しました。プールは夏休み中のキッズで満員です。私たちは目立っているのか、いや、むしろキッズにまぎれて目立たないか?

 

貸し出し自由のビート板などを使ったり、子ども用の浅いプールに移ってみたりしてしばらくトレーニングを積んだでしょうか。夫が少し休憩する間に、私は「泳ぐ人専用レーン(途中立ち上がり禁止)」で少し泳いでみることにしました。

 

私は「泳げる」と言えるほどのものではないですが、「泳げないんです!!」と言うほどでもない。平泳ぎでゆっくり泳いで上がりました。

 

そこから夫のスイッチが入ってしまいました。

 

競争心を刺激されたのか、「自分も平泳ぎができる」と思ったらしい夫は猛特訓を開始。息継ぎらしきことまでしはじめ、「ここからあそこまで泳ぐ」と十数メートルを完泳。夫はもちろんキックができないので、完全に腕の力だけで泳いでいるわけですが、どのようにしてこの泳ぎが成立しているのか全くわかりません。ちょっと焦った私は、夫がいつ溺れてもいいように横について移動するしかありません笑。

 

この頃には夫は、プールに入る時も私の手助けを必要とせず。

横向きになってバシャーン!と水に落ちていました…(静かに入水してほしい汗)

 

そうこうしていると、見守っていてくれたらしき日焼けしたもう1人のスタッフおじさんが、息継ぎの仕方を夫にアドバイスしてくれました。気をよくした夫はさらに特訓に励み…

 

最終的には50メートルほどを泳いでいました。

 

背骨が折れようがなんだろうが、運動神経のいい人というのは運動神経がいいんだな…と思いました。

 

日焼けしたおじさんにも誉めてもらい、おじさんはなぜか私の平泳ぎすら誉めてくれ、2人してすっかり満足して家路に就きました。

 

ところでこのプール、スタッフさんはかなりたくさんいらっしゃったのですが、見るからに障害者の夫が泳ごうとしても止められることもなく、かといって気に懸けていただいていたようで。なんだかとても過ごしやすかったです^^

 

 

夏はやっぱりプールだね!というお話でした。