車いすの夫とベルリンへ行きたいブログ

車いすユーザーの夫と暮らして発見したことなどをつづります。ドイツ語学習中。

伊勢神宮に行ってきました! 古代日本にバリアフリーなんてある訳ねえ!

忙しくて……すっかりブログの更新がおろそかになっていました涙。

 

なんで忙しかったかって?行ってきたからですよ。伊勢神宮です!(遊んでばっかり)

私は初めて参拝したのですが、いつものように「ここのバリアフリー情報をブログにのせようっと」とウキウキしながら足を踏み入れたところ、考えの甘さを痛感させられました(笑)。でも!!いつものように最終的にはなんとかなったのでした。

どうぞお読みいただければうれしいです^^;

 

参拝したのはお伊勢参りのホンチャン(?)「内宮」のほうです。

食いしんぼうの私たちは伊勢市に入るやいなや地元名物のお店が連なる「おかげ横丁」に直行し、そのままなんとなーく、内宮に通じる「宇治橋」を渡ったのでした。

夫はちゃんと目的をもって渡ったのかもしれませんが、私は「ここから先が伊勢神宮だ!」という認識がまったくないまま……気がついたら砂利道を歩いていました。

砂利はそんなに厚くない…が、夫君は腕が疲れるのではないか?ちょっと心配です。

ここから本殿のような「正宮」まで10分くらいでしょうか?ずっと砂利でした^^;

 

途中、伊勢神宮のすぐ脇を流れる五十鈴川に降りられる広い階段がありました。

と思ったら、まさかのスロープ?!!

いや、なんなら階段よりガタガタしていて無理でした。スロープなはずないか~^^;

 

まったく疲れていなそうな夫の車いすを、たまーに押してみたりして優しい妻を印象づけようとしながら進むこと、しばらくの間。とうとう正宮に到着です!

いや~、、こりゃ無理だあ~~。

なんか脇に坂道っぽいものも見えたのですが、ロープが渡してあって入れないようになっていたので、車いす用ルートという訳ではないのかな?と思いました。うん、古代の神さまのおうちにバリアフリーもなにもない!

ここまでかな~などと思っていると、なにやら夫が「いける」というような趣旨の言葉を発するのです。え、まじか。見ると確かに階段の幅が広い。これなら後ろから押せば上がれるかもしれないので、やってみました。

 

夫は「段差1段」なら、手をかけるところがあれば自力で上がります。そして手をかけるところがなければ、車いすの前輪を上の段に乗せ、前に動くような方向に力を加えてもらいながら、後ろから押せば上がれます。理論的にはタイヤの半径を超える高さでなければ上がれるでしょう。

 

というわけで、いつものようにやってみるのですが、これをやるときはどうしたって

ーのっっ!よーーーーーしょっっ

とかけ声をかけないと、私、できないのです。たいして力が要るという認識もないのですが。なんででしょうね??その結果、私たちは、せーのせーのよいよい言いながらひーこら階段を上る、めだつ2人組みになってしまったのでした。

 

そして1段ならなんともなくても、たくさんの段があるので実際ひーこらよろよろです。

すると!「手伝いますよ」と横から差し伸べられる手!!1人の紳士がヘルプを申し出てくれました。でもなんでしょう。このごに及んでまだ「たいして力が要るわけでもない」という認識の私は、「まだいけるので手伝ってもらわなくても大丈夫!」と思い、「だいじょぶです」と日本人的なお返事をしてしまいました^^;

 

とはいえいったん冷静になり、ありがたくヘルプを受け入れることに。しかし2人で夫の車いすを押したことがないもので、こともあろうに「1人で押したほうが楽なんですよ」と紳士にお任せしてしまいました(何段か上ったあとに大変そうだと気づき手伝いました汗)。

 

そしてラスト数段!なんとここで階段の幅が狭くなりました。さすがに、1段1段、タイヤを乗せ切るスペースがないと押すのは無理です。という訳で、「はあここまでか~」と、頑張った自分たちに拍手を送ろうと……したその瞬間!「手伝います!」とまたしても差し出される手!!!あれよあれよという間に夫の車いすはおみこし状態となり、あっという間に正宮に着いていました。

 

実は、私にとっては、日本人が手伝ってくれたの初めてだったんです(旅行中っぽい外国人が声をかけてくれたことは何度かある)。なんというかほんとに……感動しました!ありがとうございました。

 

夫は「ここまで上がったのは初めてだ」と言って手を合わせていました。

 

さて、下りは別の石段から降りるのですが、車いすを支えるのは当然降りるほうが楽なので1人でやっていきます。しかしここでもですね、「よいしょ」は必要なのです。どーしても、出てしまうのです。ふたたび何人もの優しい方々が「お手伝いします!」とお声をかけてくださいましたが、今回は夫と私で降りてしまいました。

 

神さまのもとで人々の良いこころが出やすくなっているのか…

はたまた、私の「よいしょ」の声がでかすぎたのか…

なにはともあれ、とてもありがたい経験でした。

 

今回、考えたのですが……

もしかしたら、ヘルプを申し出ていただいたときに、気持ちよく「お願いします!」と言って押してもらうことは、悪いことじゃない(むしろ積極的にやったほうがよい)ことなのかもしれない。

そうすればもちろん私もラクだし、お手伝いを申し出てくれた方にとっても、善意が無駄にならずよい気持ちになってもらえるだろう。

そしてなにより、「車いすを押す」ということが初めての人なら、これでやり方を知ってもらえるのである。

 

というわけで、2人で車いすを両側から支えて段差を上がるよいやり方を、私も練習しておこう!と思ったのでした。