車いすの夫とベルリンへ行きたいブログ

車いすユーザーの夫と暮らして発見したことなどをつづります。ドイツ語学習中。

戦友がいるとうれしい不妊治療。いやほんと。

ご無沙汰しております!

今回は、車いす関係なしの投稿です。日記です!

 

不妊治療中の私と夫くん。自治体に申請すると、先進医療費や検査費用の一部を助成してもらえると聞き、早速トライしました!

 

といっても医療機関に書類を書いてもらうのにも数週間?かかり(遠いから取りに行くのも診察の時になるし!あと文書料も3000円くらいかかりました!)。住民票だの戸籍謄本だの、なんかプリンターの調子わるいわーとか、いろいろやっているうちに期限が目前に!!

 

あわてて郵便局へ駆け込みました……というのも、配達記録の残る郵便で出すことをお勧めしますと書いてあるので。。(ほんとに必要かは謎)

 

「消印て今日ですよね……よかった間に合う〜」などとつぶやきながら封筒をカウンターのお兄さんに渡すと……

 

「あの、これ、やってるんですか」

 

と、小さな声で聞きながら、封筒に書いてある「不妊治療助成」の文字を控えめに示しておられる。

 

「あ、はい、やってます」と答えつつ…

あー、ほんとは封筒に不妊治療とか書く必要なかったけど一応書いたけどやっぱ書かなくてもよかったんだけどそのほうが良かったかな……などと一瞬、アタマの中を思考が駆け巡りました。

たぶん自治体さんも配慮してなのか、宛先の「○○係」という○○には、不妊治療というワードは入っていません。

それなのになぜわざわざ書いたのか!それは、「○○係」を住所の下に続けて書いてしまったため、封筒の真ん中が空いてしまったというただそれだけです。見た目が悪いからだよ!

 

すると一瞬で思考している私に、郵便やさんは「うちもなんです」と仰った。

そこから手続き終わるまでの一分ほどの間に、「えーどのくらい続けてるんですかー。保険適用になって助かりましたよねー自己注射私もやってますー」などと会話し、最終的に「頑張りましょう!」と励まし合って終わりました。笑

 

郵便やさんが郵便物について話しかけるというのは、嫌がるお客さんもいるだろうから、マニュアル的には言わないのが正解なのかもしれない(現に「言わない方がよいのかと思ったのですが」と仰っていた)。でもこちら、なんだか思いがけず戦友に出会ったような気持ちになりました。

 

そして思ったのは、不妊治療ってともに戦う仲間が見つかるとうれしいですよね~。 

あんまり簡単に人に言えないからね!

 

私は友人の中にも経験者が複数おり、いろいろ相談したりしているのですが。こういうのは女性の方が得意かもしれないですね。やっぱ「あるある」とかを共有するのはいいですよねー。

 

最近は友人と、会社のトイレで注射を打つ悲しさと、そんなことまでできてしまう私たちのすごさについて盛り上がりましたよ。笑(このことはいずれ書く)

 

というわけで、やっぱり不妊治療には戦友がいるといいものだ、ということと。

もし郵便やさんが思わず話しかけずにはいられないほど、不妊治療がタイヘンなものであったとしたならば、少しでもラクになるといいなあということと。

不妊治療が声をひそめて話さなくても良くなる日が来るといいなあと思いました。

郵便やさんに幸あれ。

「できる」と「できない」の間

お題「家事分担どうしてるか教えて!彼女や彼氏・妻と夫・同居人との分担」

お題に答えてみます!というか、このお題にかこつけて書かせてください!笑

 

夫は脊髄損傷で車いすユーザーなので、家事の中にも「できない」ことが多いのではないか。と、思われがちなのではないか。と、思います。

夫と一緒に暮らすようになって時間がたち、私もなんとなくその辺のあんばいがわかってきました。

 

私が最近、結論づけたことは、夫に「できないこと」があるのは確か(たとえば走る!とか)なんだけど、本当に「できない」ことはそんなに多くない。でも、だったら「できる」のかというと、そうとも簡単には言い切れない。つまり「できる」と「できない」の間には、「やりづらい」というゾーンがある……ということです。

 

例を挙げてきます!

その前に!夫の名誉のために言わせてください。夫、けっこう家事をやってくれます。ちょっとのろけちゃってごめんなさい!ゴミ出しなんて当たり前だよ!晩ごはんは私:夫:別々=3:1:3くらいの割合で作ってくれるし洗濯物もたたんでくれます(うちは朝ご飯は自力でなんとかする方式なので私も作りません!)。食器は……毎日ではないけれど、洗ってくれます!

 

でも夫がやらない家事はあるんです。

まず「洗濯干しと取り込み」です。うちはベランダに干すんですけどね。夫は車いすユーザーだから「できない」のか?っていうと別にそういう訳じゃなくて、その気になれば、できると思うんです。ただ、めちゃめちゃ、やりづらい。

 

なぜならベランダに出る掃き出し窓の近くにはソファーが置いてあるので車いすで通りにくいし、ベランダは車いすを回転するにはちょっと狭いし、物干しはアタマより上にあるので洗濯もの干しにくいからです。

洗濯ばさみのついた小物干しなら、届くかもしれませんが…上をむいて手を伸ばすことになるので顔の上にダラーっと洗濯物が垂れてきて、気持ち悪いことでしょう。

 

という訳で、夫が洗濯した後は乾燥機をオン!です。

 

その②はもう解決ずみなんですが、掃除機ですね。

これはコードつきの掃除機のことです。想像してみてください、まず、コンセントの位置って車いすからだと床に近すぎて差しにくい。そして掃除機の本体?とコードと車いすの車輪がもうわけわかんなくなるのは…なんか、目にみえています。

 

これは引っ越しとともに、コードレス掃除機を導入したことで解決されました!

 

……と、こんな感じで、夫が積極的にコミットしない家事には、「できない」というよりは「やりづらい」ゾーンがかかわっていることが多いです。

 

やっぱり車いすだと不便だね~。と、お思いでしょうか?!

 

でも、これらは、道具を使えば解決できることが多いです。

 

例えば洗濯干しだったら、床に置くタイプの高さの低い洗濯物干しを導入すれば解決するでしょう。置くスペースがないので持ってないですけどね^^;

掃除機は解決ずみだし…。あと、結婚する前は「お風呂洗いとかできるんだろうか?」と考えていましたが、長い柄のついたスポンジで問題なしでした(座ったままでも洗いたいところに届く)。私は柄のついていないスポンジしか使ったことがなかったので、そういうのがあるって知らなかったんですが。フツーに売ってる。いろいろと工夫できるものがあるんですね。

 

何が言いたいかというと…。

「できる」と「できない」の間にある、「やりづらい」を埋めるためのツールはたくさんあるのです。

これはですね、家事にかかわらず、いろいろあります(手作りしたのもあります)。

その延長線にあるものが、スロープとか、バリアフリーかもしれません。

 

だから、車いすユーザーは「できないことばっかりなんじゃないか?」などと思わないでね!というお話でした^^

もっともっと環境を整えれば、夫の家事参加もさらに増えることでしょう!笑

結婚する前、夫が私に言わなかったたった一つのこと

お題「私のパートナー(夫・妻・彼氏・彼女などなど)の好きなところ!」

このちょっと恥ずかしいお題に答えてみます!

 

夫と知り合ってから結婚するまで、「言われるのではないか…?」と勝手にどこかで思っていて、とうとう言われなかったことがあります。ちょっと恥ずかしいですが、たまに思い出すので書いてみます(言われなかったことを思い出すというのもなんともですが)

 

「結婚しよう!」はい、これは王道で言っていただきました。

「つきあってください!」はい、これも言っていただきました(夫はちゃんと段階?を踏むタイプでした)。

 

言われなかったのは、「車いすユーザーの自分でも良いのですか」ということです。

 

あ、特に意外でもなんでもないですかね~^^;

 

これね〜、言われるような気がしていたのは、たぶん、ドラマや映画でそういう場面を見過ぎたからですね。っていうか、記憶の限り私が見た「障害者ラブストーリーもの」のほとんどは、そういう場面ありますね(あとありがちなのは「君を幸せにできないからもう別れよう!」とか……)。

 

言ってほしかった!という話じゃないんです。逆です。私は、このことを考えると、なんというのでしょう……なんだかとてもしみじみとした、夫をリスペクトする気持ちになるのです(なんだそりゃ)。

 

夫がこの台詞について全く考えたこともなかったのか、それとも考えた結果、言わなかったのかはわかりません。まあたぶん前者だと思いますけどね。夫がどれほど「自分は障害者だ」と日頃意識しているのか知らないし。よく「さすがオレ」的なことを言ってて自己評価高いし。それに、言う必要ないですからね。

 

でももし。もしこの言葉を言われていたとしたら。そのような考えがふと落ちてくると、わたしはちょっと(例によって)いろいろと考えを巡らすのです。

 

たぶんその言葉によって顕在化するのは、車いすを使っている人は「劣っている」という価値観。それから、車いすユーザーでは歩いてる人ほどには相手を幸せにできないかもしれない、という自信のなさ(といっても私はもともと、幸せは人にしてもらうんじゃない自分でなるもんだ!という派です)……なのかもしれない。

 

どちらも、実際に夫がそうである事実と異なるのだから、そんなこと言う必要はありません。

 

だいたい………歩いてるというだけで相手にふさわしいパートナーになれるとか、歩いてる人はどんだけ偉いんだ?笑

それにさーそんなに許可とらなきゃいけないようなことなのか?車いす使っているということは。

 

ここから先(というかここまでも)、全部、想像ですが……

もし夫が一度でも、「車いすユーザーであることを理由にフラれるかもしれない」と思ったとしたら。

ラクだったかもしれないと思うんです、「車いすユーザーでも良いか」と聞いてしまった方が。

だって一見、謙虚だし、なんか美しそうじゃないですか。

でもそうしなかった夫の選択からは、けがをしてもリハビリして頑張って、勉強も遅れたけど頑張って進学して就職もして、くじけずいじけず、自立して生きている自分へのプライドのようなものを感じるのです。実際、誇るべきことに違いありません。

 

そして、テレビ番組のようにそんな言葉を予想していた私は、じぶん、ちっさいなあ~。とか思うわけです。

 

ま、ぜんぶ妄想ですけどね(⁠^⁠^⁠;

 

妄想にすぎないのですが、考えてみるたびに私は自分の中にあるちょっとした偏見に気づき、そのたびに夫を見直すのでした。

そして夫くんのそゆとこ、好きやでえ〜と、勝手に思うのでした(笑)

 

 

 

夫のコミュ力の高さ。それは車いすと関係があるのか?という思考はちょっと私を内省的にさせる。

夫はコミュ力が高いと思う。

どんなときに思うのかというと……。夫は近所のパン屋のおっちゃんとか、同じマンションに住んでいるこどもとかと、すぐ友達になるのです。

 

先日、夫の友達たるパン屋に一緒に寄ったときも、「きょーは仕事やすみ」とかなんとか、フツーに会話してました。

そして、家の近くで友達であるこども(少年)に偶然あった夕方、その子に言われたそうです。

 

「せっかくだから一緒に帰ろうよ」と。

 

そんなこと大人になってから言われたことある?笑 いやないね!(反語!)なんなら小学生の時にも言われたことないんじゃないか!

 

いやー私はできないんですよ。近所のお店の人と雑談してしまうと、次からそのお店に行けなくなってしまうタイプです笑。なんて会話すればいいんだろう…会話するのを相手は待っているのだろうか……しかし私のことを覚えているかどうか…という思考のループで、飲食店だと落ちついて食べられなくなってしまいます。

 

それはともかくとして、夫はコミュ力が高いです。そして人にすぐ顔を覚えられますが、それはもしかしたら車いすに乗っているという特徴があって覚えやすいからかもしれないですね。

 

ふと、こう考えたことがあります。夫がコミュ力が高いのは、街で誰かにお手伝いを頼まざるを得ない経験から、知らない人とお話をする能力を磨くことが必要だったからではないか…と。

でもそんな考えが思い浮かぶと、自分で自分にちょっと失望して打ち消します。なんでもかんでも車いすのせいにするんじゃないよ。夫が人当たりがよくてぱっと見陽キャ(実態は陰キャ?)なのはもともとの性格だよ。夫はけがをする前から、スポーツ教室で自分より若年なちびっこたちを従えてお兄さんぶったり、人のうちになってるみかんをもらったり、フェンスに登ったり神社でカップラーメン食べたりしていたというのだから(関係ないか)。

 

車いすに乗っている」という属性はインパクトが強いので、なんでもかんでも車いすのせいにしたくなってしまう傾向、あるような気がします。私だけじゃなく。腕を鍛えてるのは車いすだから、とか。まあ車いすこいでるからってここまで鍛えられる訳じゃなく、スポーツやってるからですね。映画館で右よりの席を取りがちなのは障害のせいとか。結婚前に一瞬そう思いましたが、とくに意味はなかったですね。笑

 

だんだんひどくなると、今の仕事についたのも、いつも似たような格好をしているのも、ラーメンが好きなのもぜんぶ車いすのせいなのかーい!!……となってきてしまうような。そうすると、夫という人間は「車いす」というフィルターをかけられてしまい、夫さんというよりは障害さん。に、なってしまうような気になってきます。それはあんまり良くないなあ。

 

歩けなくなるという経験はたぶん、人生を大きく変えることなので、その人の多くの部分に影響を及ぼすことであろうけれども、その人を「歩けない」という入り口からしか見なくなってしまったら、それは悲しいことだなあ。などと私は思っています。

 

「夫君て○○だね」と、かけられる言葉から、そういうことを思うこともある訳ですが。夫を小さい頃から知っている人の言葉からは感じたことがないんですね。やっぱ、付き合いが長くて、車いすかどうかなんてどうでもよくなっちゃってるのかもですね。

 

とりとめもないですが、夫はコミュ力が高い。それはそれ以上でもそれ以下でもなく、ただそこにある事実なのでした。笑

伊勢神宮に行ってきました! 古代日本にバリアフリーなんてある訳ねえ!

忙しくて……すっかりブログの更新がおろそかになっていました涙。

 

なんで忙しかったかって?行ってきたからですよ。伊勢神宮です!(遊んでばっかり)

私は初めて参拝したのですが、いつものように「ここのバリアフリー情報をブログにのせようっと」とウキウキしながら足を踏み入れたところ、考えの甘さを痛感させられました(笑)。でも!!いつものように最終的にはなんとかなったのでした。

どうぞお読みいただければうれしいです^^;

 

参拝したのはお伊勢参りのホンチャン(?)「内宮」のほうです。

食いしんぼうの私たちは伊勢市に入るやいなや地元名物のお店が連なる「おかげ横丁」に直行し、そのままなんとなーく、内宮に通じる「宇治橋」を渡ったのでした。

夫はちゃんと目的をもって渡ったのかもしれませんが、私は「ここから先が伊勢神宮だ!」という認識がまったくないまま……気がついたら砂利道を歩いていました。

砂利はそんなに厚くない…が、夫君は腕が疲れるのではないか?ちょっと心配です。

ここから本殿のような「正宮」まで10分くらいでしょうか?ずっと砂利でした^^;

 

途中、伊勢神宮のすぐ脇を流れる五十鈴川に降りられる広い階段がありました。

と思ったら、まさかのスロープ?!!

いや、なんなら階段よりガタガタしていて無理でした。スロープなはずないか~^^;

 

まったく疲れていなそうな夫の車いすを、たまーに押してみたりして優しい妻を印象づけようとしながら進むこと、しばらくの間。とうとう正宮に到着です!

いや~、、こりゃ無理だあ~~。

なんか脇に坂道っぽいものも見えたのですが、ロープが渡してあって入れないようになっていたので、車いす用ルートという訳ではないのかな?と思いました。うん、古代の神さまのおうちにバリアフリーもなにもない!

ここまでかな~などと思っていると、なにやら夫が「いける」というような趣旨の言葉を発するのです。え、まじか。見ると確かに階段の幅が広い。これなら後ろから押せば上がれるかもしれないので、やってみました。

 

夫は「段差1段」なら、手をかけるところがあれば自力で上がります。そして手をかけるところがなければ、車いすの前輪を上の段に乗せ、前に動くような方向に力を加えてもらいながら、後ろから押せば上がれます。理論的にはタイヤの半径を超える高さでなければ上がれるでしょう。

 

というわけで、いつものようにやってみるのですが、これをやるときはどうしたって

ーのっっ!よーーーーーしょっっ

とかけ声をかけないと、私、できないのです。たいして力が要るという認識もないのですが。なんででしょうね??その結果、私たちは、せーのせーのよいよい言いながらひーこら階段を上る、めだつ2人組みになってしまったのでした。

 

そして1段ならなんともなくても、たくさんの段があるので実際ひーこらよろよろです。

すると!「手伝いますよ」と横から差し伸べられる手!!1人の紳士がヘルプを申し出てくれました。でもなんでしょう。このごに及んでまだ「たいして力が要るわけでもない」という認識の私は、「まだいけるので手伝ってもらわなくても大丈夫!」と思い、「だいじょぶです」と日本人的なお返事をしてしまいました^^;

 

とはいえいったん冷静になり、ありがたくヘルプを受け入れることに。しかし2人で夫の車いすを押したことがないもので、こともあろうに「1人で押したほうが楽なんですよ」と紳士にお任せしてしまいました(何段か上ったあとに大変そうだと気づき手伝いました汗)。

 

そしてラスト数段!なんとここで階段の幅が狭くなりました。さすがに、1段1段、タイヤを乗せ切るスペースがないと押すのは無理です。という訳で、「はあここまでか~」と、頑張った自分たちに拍手を送ろうと……したその瞬間!「手伝います!」とまたしても差し出される手!!!あれよあれよという間に夫の車いすはおみこし状態となり、あっという間に正宮に着いていました。

 

実は、私にとっては、日本人が手伝ってくれたの初めてだったんです(旅行中っぽい外国人が声をかけてくれたことは何度かある)。なんというかほんとに……感動しました!ありがとうございました。

 

夫は「ここまで上がったのは初めてだ」と言って手を合わせていました。

 

さて、下りは別の石段から降りるのですが、車いすを支えるのは当然降りるほうが楽なので1人でやっていきます。しかしここでもですね、「よいしょ」は必要なのです。どーしても、出てしまうのです。ふたたび何人もの優しい方々が「お手伝いします!」とお声をかけてくださいましたが、今回は夫と私で降りてしまいました。

 

神さまのもとで人々の良いこころが出やすくなっているのか…

はたまた、私の「よいしょ」の声がでかすぎたのか…

なにはともあれ、とてもありがたい経験でした。

 

今回、考えたのですが……

もしかしたら、ヘルプを申し出ていただいたときに、気持ちよく「お願いします!」と言って押してもらうことは、悪いことじゃない(むしろ積極的にやったほうがよい)ことなのかもしれない。

そうすればもちろん私もラクだし、お手伝いを申し出てくれた方にとっても、善意が無駄にならずよい気持ちになってもらえるだろう。

そしてなにより、「車いすを押す」ということが初めての人なら、これでやり方を知ってもらえるのである。

 

というわけで、2人で車いすを両側から支えて段差を上がるよいやり方を、私も練習しておこう!と思ったのでした。

 

有明四季劇場に行ってみた!(バリアフリー情報)

劇団四季のライオンキングを観に行ってきました☆

私はミュージカルが大好き!夫ははじめての劇団四季です。

有明四季劇場は私も初めて行きました。たいていの劇場は、車いすの観客を想定しているものですが、今回ももちろん、でした!

 

チケットはウェブで取りましたが、この劇場には車いすのまま観劇できる車いすスペースがあり、さらに座席に移って観たい人は車いすを預けることができると、ホームページに書いてありました。夫は後者です。夫の車いすには背もたれがないからです^^

 

ここで問題(?)になるのが、どこの座席を選択するか。夫は歩くことができないので、できれば通路側の席がよい(車いすを横付けしてさっと座席に移れる)。さらに言うと、その通路が階段上になっていると車いすで上がるのが大変なので、その必要がない席がよいのです。

 

以前、渋谷のシアタークリエに行ったときは電話でチケットを取り、そのへんのリクエストを伝えながら空いている座席を案内してもらいました。

 

が、今回はたまたま四季の定休日で電話がつながらなかったため、「まあいっか」と座席をウェブで選び、後日電話で、車いすを預かってほしい旨を伝えました。

選んだのは1階のS席で、端の通路から5、6番目?くらいの場所ですが、その列の前も、(舞台と平行な向きの)通路になっています。

座席と通路の間に柵があるかどうかで移乗しやすさは変わってくるわけですが、まあなんとかなるだろうということで。

 

さて当日。劇場の入り口でスタッフさんが声をかけてくれ、「座席までご案内します」と連れていってくれました。

座席の前の通路には柵はなく、座席の正面に車いすをつけてぱっと移ることができました。

 

写真がないとお伝えしづらいのですが、この劇場、1階席の前のほう(私たちの前にある通路から前のブロック)は、座席の真ん中にある、舞台のほうへ伸びている縦向きの通路は階段がなく、スロープでした。ほほー!と1人でテンション上がりました(笑)。前方・真ん中らへんの席(見やすい!)にも移乗しやすい席があるということですから。映画館に比べてもだいぶ選べる席の範囲が広いです。ミュージカルはやっぱり良い席で見るのがいちばんですもんね!

 

さて、休憩時間には、ふたたびスタッフさんが車いすを持って来てくれました。そして四季は「フルサービス型」です。スタッフさんは夫のトイレまで付いてきてくれました(むろん入り口までですが笑)。たぶん、なんらかのサポートが必要になった事態を想定しているのでしょうか。

でもなんか気を使ってしまい、物販をみにいったりせずまっすぐ座席へ戻りました笑。「休憩が終わるときにまた来てもらえれば大丈夫です」と伝えればよかったですね^^;

 

さて、そんな感じで、劇場はバリアフリーというお話でした。

 

ところで。私はミュージカルが大好きで、ライオンキングを見たもの3、4回目くらいでしょうか。

 

この年になってライオンキングを見返し、新しく心に芽生えた一つの感想。それは…

 

スカーおじさんかわいそう。涙

 

スカーおじさんとは、いわゆる悪役です。主人公シンバのおじさんに当たります。シンバのお父さんでサファリの王・ムファサを謀殺し、幼いシンバを追放し、悪名高いハイエナたちと手を組んで王座を乗っ取るのです。最後にはもちろんシンバに敗れるのですが。

 

それがね、王座についたスカーおじさんがイライラしてハイエナに当たり散らしながらこう歌うんです。「権力を手に入れたのに満たされない♪ オレは誰からも愛されない♪ 結婚できればこの寂しさは解消されるかもしれない♪」(※実際の歌詞は異なっていますが、だいたいこういう意味)

 

スカーおじさん、かなり素直に悩みを打ち明けているな!そうか寂しかったのか!かわいそうに!「結婚したいけど相手がいない」とブルーになっていた数年前の自分とかさなるぞ!なんだか…なんだか……わかりみふかし。

そんなスカーおじさんは、前の王の息子だというだけで無条件で愛されるエリート、シンバにあっという間に退治されてしまうのでした(シンバももうちょっと話聞いてやれや!)。スカーおじさん……!!

 

スカーおじさんを演じた方は深みのあるお声で、演技も味があり、今回の公演では最も心に残りました!

 

また劇場へ行きたいです☆

夏の思い出♪ 歩くことのできない夫は泳げるか?

お題「今年の夏は〇〇に挑戦する!」 

「挑戦した!」というお話ですが、あと、挑戦したのは夫ですが、お題に答えてみます!

 

いつからか、車いすユーザーの夫がある単語を口にするようになっていました。

「プール」 です。

 

使い方は「プールに行くのもありかもしれない」「プールに行けば」「プール行こうかと思った」などなど。私はすっかり思いこんでいました。夫は大好きなプールに行きたいのだと。

 

よく思い出すと、この現象はオーストラリアの珊瑚礁見学に行くために水着を準備していた頃から起きていたのでした。何かが夫を触発したらしい。

 

 

ninin-2kyaku-2sharin.hatenablog.com

(↑これです)

 

そんなわけで、いい年した夫婦二人が週末の午後、屋外の市民プールにでかけていったわけです。屋外プールって何年ぶり?笑 

 

その1時間前。車いすユーザーを受け入れてくれるプールってあるのかな…

そう思ってググってみると、我々の居住エリアにはけっこうありました。障害者スポーツセンターじゃなくても。プールに入るための昇降機がある屋内プールもありましたが、夫が「夏だから」と言い張るので屋外プールへ行くことになりました。

 

入場券を買うところでウロウロしているとスタッフさんがすかさず声をかけてくれ、見入ってしまうほど日に焼けたスタッフのおじさんが階段のないルートに通してくれました。広い更衣室があるんだそうです。私は夫に別れを告げて女子更衣室に向かおうとしましたが、「一緒に来てください」と呼び止められました(笑)

 

かなり年季の入った施設でしたが、車いすユーザー用の更衣室には広いトイレとシャワーがあり、横になれそうな台?もありました。広々使わせて頂き、いざプールへ!車いすはプールサイドまで持って行くことができ、はじっこに置いておけばOKなので便利です。

 

さて夫は泳げるのか?改めて聞いてみると「わからない」とのたまう。え、わからんのかーい!最後にこうやってプールで泳いだのはいつかも定かではないとのこと(体力測定で入ったことがある?)。脊髄損傷で立つことができない夫は当然、プールの底に足をついて立つことができないので、その姿はまるで……というかまじで溺れかけの人。ばしゃばしゃやる夫をしばらく眺め、心配になってきたら抱えてプールの縁につかまってもらうということを繰り返しました。プールは夏休み中のキッズで満員です。私たちは目立っているのか、いや、むしろキッズにまぎれて目立たないか?

 

貸し出し自由のビート板などを使ったり、子ども用の浅いプールに移ってみたりしてしばらくトレーニングを積んだでしょうか。夫が少し休憩する間に、私は「泳ぐ人専用レーン(途中立ち上がり禁止)」で少し泳いでみることにしました。

 

私は「泳げる」と言えるほどのものではないですが、「泳げないんです!!」と言うほどでもない。平泳ぎでゆっくり泳いで上がりました。

 

そこから夫のスイッチが入ってしまいました。

 

競争心を刺激されたのか、「自分も平泳ぎができる」と思ったらしい夫は猛特訓を開始。息継ぎらしきことまでしはじめ、「ここからあそこまで泳ぐ」と十数メートルを完泳。夫はもちろんキックができないので、完全に腕の力だけで泳いでいるわけですが、どのようにしてこの泳ぎが成立しているのか全くわかりません。ちょっと焦った私は、夫がいつ溺れてもいいように横について移動するしかありません笑。

 

この頃には夫は、プールに入る時も私の手助けを必要とせず。

横向きになってバシャーン!と水に落ちていました…(静かに入水してほしい汗)

 

そうこうしていると、見守っていてくれたらしき日焼けしたもう1人のスタッフおじさんが、息継ぎの仕方を夫にアドバイスしてくれました。気をよくした夫はさらに特訓に励み…

 

最終的には50メートルほどを泳いでいました。

 

背骨が折れようがなんだろうが、運動神経のいい人というのは運動神経がいいんだな…と思いました。

 

日焼けしたおじさんにも誉めてもらい、おじさんはなぜか私の平泳ぎすら誉めてくれ、2人してすっかり満足して家路に就きました。

 

ところでこのプール、スタッフさんはかなりたくさんいらっしゃったのですが、見るからに障害者の夫が泳ごうとしても止められることもなく、かといって気に懸けていただいていたようで。なんだかとても過ごしやすかったです^^

 

 

夏はやっぱりプールだね!というお話でした。